Baby Stepsなブログ

競プロとか。間違ったこと書いてあったら@pi0nep1oneにご連絡ください。

ライブラリ

強連結成分分解の実装と個人的なメモ

前提 有向グラフGの頂点の部分集合をSとする。 Sが強連結であるとは、Sの任意の2頂点間が行き来可能であること Sが強連結成分であるとは、Sに他のどの頂点を追加してもそれ以上強連結にならないこと 強連結成分分解とは、強連結成分を1つの頂点にまとめるこ…

ダブリングによる接尾辞配列(Suffix-Array)の実装と個人的なメモ

AC Libraryに、より高速なライブラリが存在する。 https://atcoder.github.io/ac-library/document_ja/string.html 以下に載せた実装は、自分の理解を深めるために実装したもの。(蟻本のものにアレンジを加えclass化した。計算量は変わらず、Manber & Myers…

座標圧縮に関する解説と練習問題

前提 一次元座標圧縮はBITによる転倒数の数え上げでお馴染み。 二次元の場合は、x軸、y軸を独立に捉えることでほぼ同様に求めることができる。 二次元座標圧縮における注意点は、登場する座標の1つ隣の座標も登録する点にある。これは登場する座標だけで圧縮…

Dijkstra法による最小費用流を求める実装(Primal-Dual)とポテンシャルに関する個人的なメモ

前提 基本的な考えは、Bellman-Ford法による最小費用流の求め方と同じである。 以下の実装では高速化のためBellman-Ford法の実装個所をDijkstra法に置き換えており、同時に負の辺が存在するグラフに対してDijkstra法を適用するため、ポテンシャルを導入して…

Bellman-Ford法による最小費用流を求める実装

前提 最小費用流問題のグラフには、最大流問題で与えられる辺の情報に加えて辺のコストが付与される。 以下の実装では、このコストに対してS-T最短路を1つ見つけて目いっぱい流す、その経路が限界になったら次の最短路を見つけて目いっぱい流して、という事…

最大流問題とDinic法に関する個人的なメモ

前提 Dinic法を理解するには、先にFord-Fulkerson法を知っていると早い。 pione.hatenablog.com Dinic法の基本的な動作はFord-Fulkerson法と同じで、残余グラフを構築して増加路の辺、逆辺の capacity を更新していき、更新できるパスがなくなるまでそれを繰…

最大流問題とFord-Fulkerson法に関する個人的なメモ

前提 最大流問題とは、辺に capacity を持つグラフが与えられて、始点から目いっぱい水を流した時に終点に流せる最大量を求める問題。 グラフの最大流は、そのグラフのS-T最小カットに対応する。 計算量: O(|flow||E|) (最大フローをflow、辺数をEとする) …

DFSによるオイラーツアー順序を求める実装

高難度帯の部分問題として出てくるので実装を置いておく。 実装 以下の実装は、訪れた順に頂点を採番していく。 /// オイラーツアー struct EulerianTrail{ vector<int> order; EulerianTrail(vector<vector<int>>& G, int root=0){ int n=G.size(); order.resize(n); int cur</vector<int></int>…

トポロジカルソートの実装をライブラリ化した

過去問埋めしてて、トポロジカルソートで解く問題に当たって面白かった↓。 atcoder.jp 良い機会なので、改めて実装についてまとめておこうと思う。 前提 トポロジカルソートとは、閉路無し有向グラフ(DAG)において、どの頂点もその出力辺の先の頂点より前に…

エラトステネスの篩の実装

エラトステネスの篩と、それを利用した素因数の高速列挙の実装をライブラリ化した。(どちらかというと後者の実装を残す目的で作った) 前提 整数nまでの素数の列挙を高速に行うアルゴリズム O(nloglogn) https://mathtrain.jp/eratosthenes https://detail.…

Trie木の実装をライブラリ化した

前提 Trie木は、複数の単語(文字列)を登録でき、ある文字列(またはそのprefix)が登録済みであるかを高速に検索できるデータ構造 基本的な機能はシンプルに、insert / searchの2つだけ 実態は有向木 基本的な動作は、単語のprefixが同じならNodeを共有し…

三分探索の実装をライブラリ化した

二分探索と比べて、区間の内分点の取り方やら、下に凸か上に凸かやら、地味に考えることが多いので汎用性を目指してライブラリ化してみた。 前提 三分探索とは、ある区間[l, r]において、極値がただ一つだけ存在するとき、その極値の近似値を区間の長さをnと…

浮動小数を文字列として受け取り、整数型に変換する実装(個人的なメモ)

これは何 最近コンテストで、入力値が小数第4位程度まで与えられ、その入力値を素直にdoubleで受け取って計算すると丸め誤差で WA となるような問題が散見されるようになった。 (直近の問題だと ABC 191 D Circle Lattice Points がそう) atcoder.jp この…

転倒数を求める実装をライブラリ化した

要求される度に、uniqueやらeraseやら、1-indexやらの箇所で微妙に考えてしまうので、この際ライブラリ化しておく。 ※ 転倒数には、i < j でかつ、a_i > a_j であるとき転倒とする場合と、a_i >= a_j であるとき転倒とする場合の2種類があり、以下の実装は前…

BIT(Binary Index Tree)の実装

他ライブラリ(転倒数等)で活用されることがあるので置いておく。 前提 Fenwick Treeとも 競プロにおいては、BITでできることは以下の2点であると抑えておこう。 累積和テーブルの更新: add 指定した区間の累積和の計算: sum 機能を限定することで扱いやす…

最長共通接頭辞(Z-Algorithm)のライブラリを作った

今まで文字列照合系問題は、DP(LCS)で頑張っていたけど、持っていたら便利そうだと思ったのでライブラリを用意してみた。 前提 Z-Algorithmとは、最長共通接頭辞の長さを線形時間で求めるアルゴリズム。 文字列の長さをnとして、O(n2)を、O(n)に改善できる …

素集合データ構造(Union-Find木)の実装

クラスカル法など、他ライブラリから呼ばれることがあるので実装を置いておく。 前提 グループの管理を高速で行うことができるデータ構造 実態は木(森)になっている ある状態から、グループを併合することができ、分割することはできない UnionFind木の機…

忘れがちだった最小全域木のコストを求めるアルゴリズム(クラスカル法、プリム法)をライブラリ化した

前提 いずれも発想は貪欲法である。 クラスカル法 実装内容の理解についてはクラスカル法の方が楽 頂点数に対応する大きさのUnionFind木を用意する グラフの辺を、重みの小さい順に見ていき、(u, v)がまだ同じグループに属していないならばその辺を採用する…

ダブリングによる最近共通祖先(Lowest Common Ancestor)のライブラリを作った

前提 ダブリング手順 dp[i][j]:=頂点iの2j個上の頂点 iは頂点数nに対して、log_n 初期化: まずdpを-1で初期化したのち、dp[0][j]、つまり1個上のノードを登録する 以降、dp[i+1][j]=dp[i][dp[i][j]] で更新 ダブリングのわかりやすい解説 satanic0258.hatena…

セグメント木の抽象化(遅延評価でない)

セグメント木を抽象化したライブラリ(C++)を作成したのでまとめておく。 前提 セグメント木の実態は完全二分木 要素数nを扱いたいならn以上の2冪を葉の数とし、その数をwとすると、全体の要素数は2*w-1個となる 完全二分木において、要素i(>0)の親は(i-1)/2…